視覚障害者の充実した学業生活の実現には、適切な学習支援が欠かせません。なかでも、学習資料へのアクセスに係る支援は最も重要です。それは、視覚障害者の多くが、通常の書籍や印刷物を直接に利用するのが難しいことによります。
ところが、その支援は、十分に行われているとはいえず、視覚障害者が学習上の困難に直面することも少なくありません。とりわけ、専門性の高い学習資料の利用には困難が多くあります。その背景には、支援のための基盤の不備、つまり、資源の不足や方法の未整備・未成熟・未普及等があります。本事業は、こうした状況を改善するために実施しています。
近年、視覚障害者の大学進学の一般化による、当該学生の、①数の増加、②学習分野や専攻分野の拡大と多様化、③大学院進学志望の増加、④学習資料へのアクセスに必要なスキルや知識が十分でない事例の増加、さらに、ITの進歩に伴う、⑤学習環境の急激な変化、等から、学習資料の利用に係る支援のニーズが増加かつ多様化しており、本事業の充実が期待されています。