高等教育のための学内外視覚障害者アクセシビリティ向上支援事業
視覚障害者用学習資料の製作拠点の整備(H18~H22)
情報系や理数系分野の学習資料の確保するため、首都圏六つの点訳グループに参加いただき、作成された点字図書を本学や視覚障害者が学ぶ大学等に学習資料として広く提供しています。
(http://www.ntut-braille-net.org/)
平成22年度末現在、61タイトルの点訳が完成しています。
情報系:45タイトル 理数系:16タイトル(H18~22)
筑波技術大学では、理療や保健理療などの学習に使用できる図書の点字化、デイジー化と無償頒布(一部無償貸出)を行っております。鍼灸や按摩などの資格取得を目指す学習や、専門性の向上を図る学習にぜひご活用ください。現在、20タイトルの点字・デイジー図書が完成しています。なお、デイジー図書においては、録音による複製とその無償頒布・貸出について著者ならびに出版社から承諾を得ています。
(http://www.ntut-braille-net.org/ntut-riryo/)
理療を学ぶ視覚障害者のための学習資料を製作する場面で活用できる支援ツール「鍼灸・医学用語の点訳音訳辞書システム」を、開発いたしました。この辞書システムは、新聞紙上等ですでに紹介されておりますように、鍼灸や医学分野で使われる専門用語の読み方や点字表記の方法をパソコン上で円滑に調べることができるものです。本システムが点訳や音訳の活動のお役に立ち、その結果、視覚障害者の学習資料の整備が進むことを目的に開発しました。この辞書システムは、約20,000の用語が登録されています。その後、利用者へのアンケート調査結果をもとに、約4,000の用語を追加できるアップデートディスクを利用者に配布しました。
マルチモーダル図書とは、触覚や聴覚、低視力のいずれでも読める図書を意味します。つまり、読み手が、自身の読みのスキルや記述内容に応じて、点字や録音、音声読み上げや文字拡大などを適宜選び、あるいは組み合わせて読み進める、複合媒体の図書です。
こうした図書があれば、視覚障害学生が個々の読みのスキルや学習内容に応じた方法で利用できます。
「天文学入門」は、京都大学大学院の嶺重 慎教授(理論宇宙物理学)と茨城県立水海道第一高校の髙橋 淳教諭が執筆しました。
点字を印刷する場合、点字プリンタに接続しているパソコンに印刷ソフトがインストールされていなければなりません。
今回、CD-Rから起動できる専用印刷ソフト“「天文学入門」の点字印刷”を開発し、点字・点図データが収録されているCD-Rに付属しました。
エーデルブック(EdelBook=EBKファイル)に内包されている点字文章データ(BSE/BESファイル)だけを取り出して、点訳ソフトに渡してオープンするためのソフト「EBO」をエーデルの開発者である藤野稔寛(ふじのとしひろ)氏と共同開発しました。ピンディスプレイの実行ファイルに渡した場合は、エーデルブックの中の文章だけをピンディスプレイで読む、ということもできます。
日本では、点字使用者が円滑に学べる外国語は、英語などのごく一部の欧州系言語に限られているといっても過言ではありません。それは、その他の言語に関する点字の学習資料の入手が困難だからです。一般社会では、近年、アジア系言語に対する関心が高まっています。しかしながら、点字使用者は、利用できる資料がほとんどないために、その学習が難しい状況にあります。
そうした状況を改善する目的で、点字使用者とその教育や支援に携わる関係者の両方が使える韓国語点字入門書を制作しました。
韓国語から着手した理由は、アジア系言語の中で、唯一、国内に専門点訳グループがあり、学習資料を点字で入手することが可能だからです。
この『韓国語点字入門』には、書籍内容を点訳したデータとデイジー(DAISY)録音したデータが収録された2枚のCD-ROMが付録として付いています。
この点字学習ガイドは、基本的に中途視覚障害者が新しく英語点字を自主学習することを前提に、「英語点訳ガイド」パート1(基本となる点字)、パート2(略語・略字・縮語)を元に、学ぶ側の視点に立ち、また、デイジー(DAISY)など音声をメディアとして活用するために書き下ろしたものです。
英語点字初学者を対象とするため、高度な点訳に必要な部分の省略や音声化のしやすさを考慮した表現への書き直しがされています。
アダプテッド・スポーツとは、用具やルールを工夫することで、障害のある人はもちろん、お年寄りや小さなお子さんも楽しめる、みんなにやさしいスポーツです。このDVDは、アダプテッド・スポーツの中でも「視覚に障害がある人のスポーツ」を紹介するものです。
このような方々に、「簡単な工夫でスポーツができる」ことを知り、是非実践していただきたいと思います。
近年、視覚に障害のある学生が、大学のさまざまな学部や学科に進学するようになりました。その一方で、大学現場から視覚障害学生の学習支援をどのように行ったらよいのか、という声があがっています。視覚障害学生が初めて入学するというケースもあるでしょうし、全学生に対して視覚障害学生の占める割合が低いということも、戸惑う原因の一つでしょう。そこで、このDVDでは、視覚障害学生の入学が決まったら、彼らの学習資料をどのように保障していったらよいのかを詳しくご紹介していきます。学習支援の中でも学習資料の保障が最も重要だからです。また、いろいろなコンテンツをご用意して、サポートのための基礎的知識やノウハウを分かり易くお伝えしています。
点訳・音訳に携わるボランティアのスキルアップを図るため、さまざまな研修会・講習会を企画開催しました。
当事業を実施していくうえで、必要となる機器の整備を行っています。
特に、製作するために必要な機器、製作物を利用するために必要な機器を中心に整備してきました。また、製作されたデータを保存利用するためのサーバーも整備してきました。