視覚障害者の大学進学が一般化する中、そのための学習資料の整備が重要な課題となっています。なかでも、情報・理数分野の点字図書の製作は急務です。例えば、障害補償や学業に欠かせない情報技術を学ぶための点字図書もまだ乏しい状況にあるからです。点字教材の製作は主に点訳ボランティアに委ねられています。ところが、理工系図書の点訳技術は十分に行き渡っていません。それが現況の一因ともいえます。
平成18年度からの文部科学省特別予算で視覚障害者用教材の充実に取り組んでいる筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター障害者支援研究部では、その一環として、「筑波技術大学 情報・理数点訳ネットワーク」を開設しました。これは、情報・理数関係の点訳ができるボランティアグループのネットワークを作り、そこで作成された点字図書を本学や他大学での教育用に提供しようという構想です。
筑波技術大学では、理療や保健理療などの学習に使用できる図書の点字化・デイジー化と無償頒布(一部無償貸出)を、文部科学省の特別教育研究経費※によりおこなっています。
提供される点字・デイジー図書は、各地の点訳・音訳グループと本学が連携して製作したものです。録音による複製(デイジー図書化)とその無償頒布・貸出については、著者ならびに出版社の許諾をいただいています。
鍼灸や按摩などの資格取得を目指す学習や、専門性の向上を図る学習にぜひご活用下さい。